死ぬまでにせめてあと1000冊は読みたい

読書記録です。アラ還の2020年5月からカウントを始めました。果たして1000冊までたどり着けるのか

7冊目は小松左京『復活の日』

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表紙絵は生頼(おおらい)範義氏

復活の日 (角川文庫) は、1964年に書かれた小説です。1980年に深作欣二監督により映画化されています。深作監督がたまたま高校のOBだった関係で、当時名前だけの映画研究会部員だった私のところにも試写会のチケットが回ってきて観に行くことができました。

 

覚えているのは若い草刈正雄さんが舞台挨拶したこと、そして映画のシーンでは女性にとって不愉快なシーンのところだけです(これは原作にも書かれていますが、映画の方が具体的だったように思います)。

 

さて、それっきりの『復活の日』でしたが、このコロナ禍で話題になっていることもあり購入。映画のストーリーも忘れているので、こういう話だったのかと。

 

話はもちろん当時の時代背景があってのことなのですけど、今につながることが幾つもあります。旧厚生省は「ゴールデンウィークの外出ー人混みは避けて」なんて、要請しているし、プロ野球は選手の感染で試合が流れ、蔓延防止のためにスケジュール変更。

政府は非常事態宣言を出すことを決断。みんなまるで今のことのようです。

 

また当時は米ソ冷戦下で、それにより大問題が起きるのですけど、今は米中冷戦になりそうな状況です。更にはアメリカでワクチン接種の黒人差別があり、暴動が起きているというトピックもあって、これもまた今アメリカで暴動が起きているのが黒人差別由来と、この56年何も根本的には変わっていないんじゃないかと思わされます。

 

ちょっとここからネタバレですけど、ストーリーは人が作ったウイルスによって人類が滅亡していく話です。これを読みながらふと、人って地球の表面であがきながら必死に陣取り合戦の戦争をしているわけで、そんなことまでして生きる価値ってあるのかな、などと考えてしまいました。

 

今、コロナウイルスは全世界で多数の死者を出していますが、多分人類が滅亡するほどではないと思います。でも、今後はわからないですよね。本当に南極大陸にいる人しか残らない可能性はあるんじゃないかと思いました。

 

さて、2010年9月以降で1964年に書かれた本は初めて読みました。やはりそこまで古くなると、知らない言葉が前回の1972年に書かれたたった一人の反乱 (講談社文芸文庫)以上にありました。

 

○靉靆(あいたい):意味は2つあるようですけど、この小説での意味は「雲のたなびくさま。また、雲の厚いさま。」(  Weblio辞書)のようです。

 

○冥蒙(めいもう):曇っていて暗いさま。(広辞苑、字は「溟濛」)

 

 怯懦(きょうだ) :これはまず読めなかったので、漢和辞典で引きました。意味は、意気地なし、臆病者(明解漢和辞典

 

 都邑(とゆう):① まちとむら。 ② 都会。みやこ(  Weblio辞書)

 

広辞苑を引いたのは何十年かぶりでした。それも家にあるのは第二版なんです^^;