死ぬまでにせめてあと1000冊は読みたい

読書記録です。アラ還の2020年5月からカウントを始めました。果たして1000冊までたどり着けるのか

22冊目は、芥川賞受賞作『首里の馬』高山羽根子

8月は6冊。私としてはかなりいい感じです。

 

さて今回、22冊目と書くのは少し抵抗がありました。この小説は単行本で出ていますが、私が読んだのは、芥川賞受賞作が掲載されている文藝春秋9月号です。でも、ここはちょっとお許しいただきましょう。

 

首里の馬

首里の馬

 

 芥川賞は純文学の賞です。私は純文学は結構苦手なんです。でも、芥川賞受賞作はまあ一応読もうかな、という感じで文藝春秋を買います。

そしてまた文藝春秋に出ている選評が、芸術はかく語りきという感じで小難しいことが書いてあったりして、ますますわからなくなります。

 

首里の馬』は、とっても普通な感じで始まりますが、途中から段々おかしな話になってきます。登場人物は基本的に孤独な人たち。主人公も孤独でひっそりと生きている。そして孤独な人相手に不思議な仕事をし、同時に意味があるかどうかもよくわからないボランティアの資料整理を長年行っている。そこに現れる馬一頭。

 

資料館は持ち主の死と共に無くなってしまうが、主人公の彼女は資料をデータ化して保管を行う。それが彼女が行ってきた整理の集大成。そして馬は彼女を表社会に連れ出すきっかけになっているのかもしれません。

 

その時は価値があるのかわからない資料も、時が経てば価値が出てくることもある。資料は保管すべきですよね、国家も。