死ぬまでにせめてあと1000冊は読みたい

読書記録です。アラ還の2020年5月からカウントを始めました。果たして1000冊までたどり着けるのか

10冊目は恩田陸『チョコレートコスモス』

恩田陸さんの本は、『夜のピクニック』『図書室の海』『蜜蜂と遠雷』『祝祭と予感』に続いて5冊目です。このチョコレートコスモス (角川文庫)

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559ページの厚目の本です

は、蜜蜂と遠雷(上)(下) (幻冬舎文庫)を読んだ後に、同じ傾向の話ということで読むことにしました。『蜜蜂と遠雷』はピアニストのコンクールの話で【第156回 直木賞】と【2017年本屋大賞のダブル受賞しています。この本にはそれこそ時間を忘れてのめりこみました。

 

チョコレートコスモス』は芝居の話で、天才が現れるところは『蜜蜂と遠雷』と同じなのですが、ご本人もあとがきに書いている通り、どうしても漫画の『ガラスの仮面』が頭をチラチラしてしまいます(素の天才とサラブレッドという対比からして)。

 

私は、コロナウイルス禍が訪れるまでは、年に2−3回程度は芝居を観ていました。以前には劇団で経理の仕事を3年ほどしていたこともあります。でも、芝居は実はそんなに好きではないのですね。本や映画のようにはその世界に没頭できなくて。

 

この本も最初はあまりのめり込めず、途中でやめようかと逡巡していた時もありました。しかし、残り3分の1位になって俄然面白くなりました。最後に明かされる秘密は途中で気が付きましたが。

 

さて、この小説は2004-2005年に連載されました。15年ほど前ですが、何と「フロッピーディスク」が出てきて、その頃はそれが記憶媒体だったのかと。今の人は知らないでしょうね。

 

それから、

全く何の縁故もない見知らぬ一人一人が劇場に足を運んでくれて自分たちの商売が成り立っている

という、フレーズがあるのですが、人が集まることが疎まれている今、この商売が成り立たないことが何とも居たたまれないです。劇場に足を運んだことがある方はご存知かと思いますが、そこでは大量のちらしが渡されます。私も公演の裏方をやったことがあるのでわかっていますが、劇団は互いにちらしを渡し合ったりして集客を図っているのです。コロナウイルス禍がいつまでも収まらないと、劇団もどんどん減ってしまうと思います。そうでなくても小さな劇団の団員はアルバイトをして生計を立てていますから。

 

さて、あとがきによればこの小説は三部作で第二部『ダンデライオン』、第三部『チェリーブロッサム』と続く予定であるとのことなのですが、『ダンデライオン』は現在も出ていません。ネットで調べたところ、連載していた『本の時間』という雑誌が廃刊になったため、途中で終わったままのようです。そして、その後書き終わっていると。

 

続きは読んでみたいな、と思います。