死ぬまでにせめてあと1000冊は読みたい

読書記録です。アラ還の2020年5月からカウントを始めました。果たして1000冊までたどり着けるのか

17冊目は『うちの子が結婚しないので』垣谷美雨

垣谷美雨さんの本は『老後の資金がありません (中公文庫)』に続いて2冊目です。『老後の資金がありません』の時にも思ったのですが、とってもリアル現実という話でした。

うちの子が結婚しないので(新潮文庫)

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帯に引きつけられました。

我が家にも20代後半の息子がいます。未だ嘗て彼女というものができたことがありません。結婚する気が無いわけではないみたいですが、面倒くさいらしいのです。まだ同級生もみんな独身で、男友達とばかり遊んでいます。

 

20代後半ならまだ早いと思うかもしれませんが、息子の年には夫はもう父親になっていましたし、子どもは早い内に産んで育てた方が、後々絶対に楽だと私は思います。

 

小説の方は、28歳の特に特長も無い一人娘を持つ母親が主人公で、親同士が身上書を交換する親婚活を始めて、なおかつ娘も婚活に勤しんでいく話です。もちろん、中々うまくいかない話が続きます。

 

感心するのは、細かなリアリティ溢れる描写です。ちょっと上の世代との違いを現金を使うか使わないか、息子の妻を昔の嫁のように家事労働者としてしか考えていないかなどで切り分けていくところなど、そうだろうなあと思わされます。

 

親婚活だけでなく、身近な人の結婚生活がうまくいかない話なども織り交ぜ、結婚の意義も考えるようになっています。恋人を探すのではなく、最初から結婚する相手を選ぶというのは何を決定打にするのか、どこで決断するのか、というのがすごく難しいわけで、話が合うだけ、条件が合うだけでは踏み切れないものだというのは、まさしくその通りだと思いました。

 

子どもの結婚を考えている人ばかりでなく、自分の結婚を考えている人にもオススメな小説です。